捨てたものたち

独立してから、山もあり谷もある。とっても苦しい。でも、”あ~、生きている!”という確かな実感がある。

優れた戦略の条件とは何か。私は自分の感覚を、もっとしっかりとした言葉でつかみたいとずっと思ってきました。

こうした経験を10年、15年と重ねているうちに、私なりの基準が次第にはっきりとしてきました。それは戦略が「ストーリーになっているか」ということです。そこに生き生きと動く「ストーリー」が見えるか。私がよりどころとしている戦略の優劣の基準はここにあります。

ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
楠木 建 (著)より

道(ストーリー)はどうやって出来るんだろうか。

独立してから、自分で決断しなければいけないことが沢山増えた。日々決断を繰り返していく中で、昔よりも確実にはっきりと、(少なくとも自分の中では)自分の道がはっきりと見えるようになってきている。

その過程で思うようになったのは、道(ストーリー)というものは、「何を選択したか」と同じぐらい、もしくはそれ以上に「何を捨てたか」という事実によって出来上がっていくんじゃないだろうか。

熟考の上に、一度捨てた選択肢を再度拾い上げるということは、無いことだから。一度捨てた選択肢は、再度選択の瞬間が来ても、捨てることになる。つまり、「捨てる」という選択肢は継続的な行為だ。

賑やかな夏が終わって秋が来て、ふと捨てた選択肢たちを振り返ると、自分の道が少しずつ出来上がっていることに気がついた。楽しい決断もあれば、悲しい別れもあった。だけど、これが私が選んできた人生だから、前に進んでいくしかないのだ。GO!

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