ブルテリアで犬を知る

最近、長い時間働いているので、せめて一日一回でも健康に良いことをしようと思い、出来るだけ夜に湯船に浸かるようにしている。

「時間がもったいない!」

とついついシャワーだけにしていまいがちなので、なにか楽しいこととセットにしようと思い、湯船につかる時に大好きな村上春樹さんのエッセイを読んでいる。

これが今最高に至福のとき・・・♡

今読んでいるのは、村上さんがマガジンハウス社のananで連載していたエッセイをまとめた「サラダ好きのライオン

この中で、何度も結婚した作家が、女のことを理解していない男性(一人の人としか結婚していない)が女性を理解していないことに対して、「ブルテリアしか見たことがないとしたら、犬について何を知っているといえますかな?」とシニカルに批判するシーンを取り上げて女性の”怒り”について書いている。(確かそんな感じだったはず)ちょっと長いけど引用しちゃおう。

僕もまだ一人の女性としか結婚したことがなく、「ブルテリアしか見たことがない」無知蒙昧な一人ではあるけれど、それでも厚かましく僕なりに、女性全般について長年抱いている説がひとつあります。それは「女性は怒りたいことがあるから怒るのではなく、怒りたいときがあるから怒るのだ」ということだ。

男が怒る場合、そこにはおおむね「こうこうこうだから怒る」という筋道がある。(それが適切であるかはともかく)。でも女の人は、僕が見たところ、多くの場合そうではない。普段はとくにめくじら立てるでもなく、穏やかに見過ごしていることでも、それが怒る時期にたまたまあたっていれば怒るし、それもかなり真剣に怒る。俗にいう「地雷を踏んだ」みたいなことになってしまう。

結婚した当初は、何が起こっているかのさっぱり理解できなかったのだが、回数を重ねるうちに「そうか、そういうことなのか」とおおよその仕組みがわかってきた。

相手が怒っているときには防御を固め、おとなしくサンドバッグ状態になるしかない。自然災害に正面から立ち向かってもまず勝ち目がないからだ。賢明な水夫のようにただ首をすくめ、何か違うことを考えながら、無法な台風が過ぎ去るのを待つ。

風がやんだら、そろそろと頭を上げ、慎重にあたりの様子をうかがう。そして事態は一段落したようだと判断したら、あとはいつものこっちのペースに戻って「ふんふん」と鼻歌まじりに適当にやっていればいい。

サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3 村上 春樹
マガジンハウス

自然災害って・・・。これを読んで、ブルテリアしか観察しなくても、犬のことは理解出来る!と唸ってしまった。(笑)ビジネスも同じなのかも?目の前のお客さまのことを考えることこそが、その先の世界に繋がっているのかもしれない。と、湯船につかる時間を正当化してみる(笑)

Unknown