追悼

この間、寝る前にベットで小説を読んでいて、その一節からふと友人S本くんのことを思い出した。

「そういえば、亡くなってから、どれぐらい経つっけな~。」

とカレンダーを確認すると、一昨日が一周忌だった。タイミングの良さに、「もしかして、今いた?!(ひえっ、こちらはスッピンだよ・・)」と思いびっくりしつつ、先日自宅にお線香をあげに伺った。

S本くんとは、通っていた高校、予備校、大学が偶然同じで、自宅も比較的近く、同じグループ(?)ではなかったもののなにかと頻繁に会う機会があった。そんなに親しいわけではないから、すれ違って挨拶をして、たわいもない会話をして、またバイバイといって別れることが多かった。

Facebookでたまたま見つけ、社会人になってからも個人的にやり取りはしないけど近況は知っていて、ある日、S本くんが白血病になったことを知った。それから二度お見舞いにいき、その後面会が出来ない状態になり、そのまま亡くなった。悲報を聞いたとき、本当に悲しかった。それは、彼がすごくいい人だったからだ。誠実で、優しくて、真面目な人柄だった。なんで彼でなければならなかったんだろうって思うと、悔しくてしかたがなかった。

一度目の病院にお見舞いに行った時に、約束をした。彼は白血病患者として、私は起業家として、まだ新米(?)だったから、これから2人でそれぞれ飛躍しようと言った。英語が好きだったS本くんは、”スプリング”という言葉には「春」と「(バネのように)飛ぶ」という意味があると説明し、自分たちはこれからスプリングしなければならないと言った。「山下さんなら大丈夫。」となぜか逆に励まされて帰ってきた。

彼は亡くなってしまったけれど、私は自分の人生を通して特大の”スプリング”を実現させて、S本くんに報告したいと思ってる。彼の励ましが無かったら、もう既にぺしゃんと倒れていたかもしれない。だから上手くいったら、それはS本くんの手柄にもなる。今年のお供えのお花は、春らしい、たんぽぽみたいな明るい黄色い花にした。

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